コロプラ、クックパッド、サイバーエージェント等、ウェブ系IT企業における非正社員の割合
教育の職業的意義
いま、教育社会学のつながりで本田由紀著、教育の職業的意義を読んでおります。
- 作者: 本田由紀
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/12
- メディア: 新書
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本書では非正社員の苦境として
- 低賃金
- 脱出の困難さ
を取り上げ、
大半が有期契約で雇用が不安定なのはいうまでもなく
と、さらっとその苦しさを評しています(主に第一章)。この部分を読みながらウェブ系IT企業の非正社員の割合が気になりました。
はてなブログの記事をめぐっていると、ウェブ系IT企業の転職報告の記事や職場環境の記事を見かけることが少なくありません。記憶に残るいくつかのウェブ系IT企業の非正社員について調べてみました。
上場企業のみで、最新の有価証券報告書にある数字に基づいています。類似の調査結果として、東洋経済が以下の記事を掲載していましたのでリンクをはっておきます。
ウェブ系IT企業の非正社員の割合
対象企業の選定基準は特に無く、ウェブ系IT企業として思いついた企業のみのデータを掲載しました。
企業名 | 正社員(人) | 非 正社員(人) | 割合(%) |
---|---|---|---|
サイバーエージェント | 3,059 | 1,704 | 35.8 |
クックパッド | 193 | 54 | 21.9 |
コロプラ | 450 | 22 | 4.7 |
DeNA | 2,197 | 833 | 27.5 |
GMO | 3,119 | 500 | 13.8 |
GREE | 1,758 | 486 | 21.7 |
mixi | 364 | 68 | 15.7 |
ガンホー | 971 | 88 | 8.3 |
ドワンゴ(合併前) | 1,165 | 266 | 18.6 |
カカクコム | 575 | 89 | 13.4 |
日本では非正社員の賃金は正社員に比較して低いため、企業は人件費を抑える目的で非正社員を雇用する傾向があります。非正社員でなければ担えない仕事というのも想像しにくいので、非正社員の割合が多い企業ほど利益を出すために人件費を抑える傾向があると考えられます。その企業の人事部門または経営の方針と考えて差支え無いでしょう。
結果を見た感想
コロプラ
非正社員の割合の低さが目を引きます。積極的に正社員雇用する方針を打ち出しているのかと思いましたが、ウェブサイトの社長メッセージやミッションにはそのような記載はありませんでした。
クックパッド
はてなでブログをめぐっていると良くクックパッドの記事を見かけます。従業員には良い職場のようなイメージを持っていましたが、意外と非正社員の割合が高く驚きました。ずっと超ホワイト企業のイメージを持っておりましたのでこの結果は意外です。
サイバーエージェント
割合が高く、人数も多く、先ほど紹介した東洋経済の上位500社にも入っています。様々な事業を展開しているようなので、非正社員率が高い飲食・小売り業もやっているのかもしれません。
社会学について感じていること
世の中が複雑化して問題を認識するだけでもますます大変になっていると感じております。簡単な問題はすぐ解決され、より難解な問題が残されるときに社会学者が問題を暴く役割を担うことが市民社会をより平等なもの、不公平感の無いものにするきっかけになるでしょう。「暴くもの」としての役割を期待しつつ、有能な「裁くもの」が現れることを望んでやみません。